『はじめてのチュウ』がこれほどまでに愛され続ける理由は、ギミックの面白さだけではありません。楽曲の骨格を成す歌詞の意味と、緻密に計算されたコード進行にあります。
歌詞は、初恋の相手とのファーストキスに胸を高鳴らせ、「涙が出ちゃう 男のくせに」と戸惑う少年の純真無垢な感情を描いています。強がりとピュアな愛情が同居する情景描写は、聴く者のノスタルジーを強く刺激します。
また、ギターやピアノで演奏されるコード進行は、1950〜60年代のアメリカン・オールディーズやドゥーワップの王道マナーを踏襲しています。Key=Cにおける基本的な進行は以下の通りです。
【主要コード進行例(サビ部)】
C - Em - F - G7 - C - Em - F - G7 - C
トニック(C)からメジャーセブンス感のあるEm、サブドミナント(F)、ドミナント(G7)へと滑らかに移行するカノン進行系のダイアトニックコードは、耳馴染みが良く心地よい哀愁を演出します。シンプルでありながら洗練されたベースラインの下降とテンションノートの配置が、どこか切なく甘酸っぱいメロディのフックを最大限に引き立てています。