日本人の多くが思い浮かべるパトラッシュは、垂れ耳で白地に茶色のぶちがある愛嬌たっぷりの姿です。そのため「パトラッシュの犬種はセントバーナードやバセットハウンドの混血ではないか」と推測されがちですが、本来のモデルは全く異なります。
原作におけるパトラッシュの犬種は、ベルギー・フランドル地方原産の作業犬である「ブービエ・デ・フランドル(Bouvier des Flandres)」、もしくは大型の荷引き犬(マスティフ系の作業犬)です。本種はがっしりとした骨格を持ち、粗く黒っぽい被毛に覆われ、牛追い荷車引きに従事する精悍で力強い風貌をしています。
アニメ制作陣が敢えてデザインを大きく改変した背景には、当時の作画技術と視聴者層への配慮がありました。黒く毛むくじゃらのリアルな作業犬では、画面上で表情の変化が描きづらく、子どもたちに恐怖感や威圧感を与えてしまうリスクがあったためです。親しみやすく温かみのあるカラーリングと丸みを帯びたフォルムに変更されたことで、パトラッシュは日本中から愛される不朽のシンボルとなりました。