受験市場において「女子大離れ」という言葉が定着して久しい現在でも、群馬県立女子大学の評判は堅調な推移を保っています。その根底にあるのは、私立大学では決して真似のできない「公立大学としての公共性・学費設定」と「徹底した少数精鋭の学修環境」の共存です。在学生1人あたりの教員比率が非常に高く、教員の研究室の扉が日常的に開かれているアットホームな風土は、同大学を象徴する最大の特徴として挙げられます。
設置されているのは、長い伝統を誇る文学部と、実践的な語学・地域政策を学ぶ国際コミュニケーション学部の2学部です。なかでも文学部 美学美術史学科は、国公立大学において芸術理論・美術史学・文化遺産学を体系的に学べる極めて稀有な学科として、北海道から沖縄まで全国から志望者が集まります。一般的な私立芸術系大学に進学した場合、年間150万円以上の学費がかかるケースも珍しくありませんが、公立大学の学費水準で本格的な学芸員育成や美術史研究を受けられる環境は、他の追随を許さない競争優位性を生み出しています。
オープンキャンパスを訪れた高校生や保護者への聞き取り調査でも、「キャンパスは派手ではないが、教員と学生の距離が極めて近く、落ち着いて学べる空気に安心した」「図書館の専門書蔵書数や自習環境が公立ならではの充実ぶり」といった現場観察の証言が多く聞かれます。メガユニバーシティのような華やかさや大規模なサークル活動を求める層には不向きな側面がある反面、学問と向き合い着実に自分を育てたい学生にとって、他大学には代えがたい居場所となっている様子が窺えます。