作品後半のクライマックス、学校の屋上で聖司が雫に向かって告げる「お前をずっと見てた」「図書カードでお前の名前を見つけて、気づいてもらうために先回りして本を読んだ」という告白シーン。このエピソードは、長年にわたりSNSやネット掲示板で熱狂的な議論の対象となっています。
ネット上の反応は大きく二分されており、一方では「初恋の男子が取る不器用で健気な最高の純愛演出」として絶賛される一方、現代の感覚に照らし合わせた一部のユーザーからは「冷静に考えると計算高くて少し怖い」「ストーカーすれすれの執念」といったユーモラスなツッコミやプチ炎上にも似た議論が巻き起こることが恒例となっています。
しかし、当時の制作資料や演出意図を精査すると、この行動は決して悪質な意図によるものではなく、「接点のない好きな相手に自分の存在を知ってほしい」という思春期特有の焦燥感と純粋な努力の表れとして構築されています。図書カードというアナログなメディアを通じてしか自己表現ができなかった1990年代前半の時代背景が、このロマンチックな演出に説得力を与えているのです。