五三の桐は、中央に5つ、左右に3つずつの花を咲かせた桐の葉と花をモチーフに図案化した家紋です。この植物のルーツをたどると、古代中国の伝説に突き当たります。「聖天子(徳の高い優れた皇帝)が治める時代にのみ姿を現す霊鳥・鳳凰(ほうおう)は、桐の木にしか止まらず、竹の実しか食べない」という神聖な言い伝えが存在します。
この思想が日本に伝来した際、桐は極めて神聖かつ縁起の良い吉祥植物として敬われるようになりました。日本における家紋の歴史でも、桐紋は平安時代から皇室に愛され、やがて菊花紋章に次ぐ高貴な紋章として重用されていきます。つまり、五三の桐にはもともと「優れた徳」「一族の繁栄」「平和と幸福」という最上級の願いが込められています。