豆苗とは、えんどう豆(グリンピース)の種子を発芽させた若菜を指します。漢字で「豆の苗」と書く通り、発芽直後の新芽を茎や葉ごと食べるスプラウト(発芽野菜)の一種です。
もともとは中国料理の高級食材として親しまれており、春先のわずかな時期にえんどう豆の先端の柔らかい芽を手摘みした貴重品でした。日本国内の食卓を大きく変えたのは、1990年代半ばから参入した村上農園などのスプラウトメーカーです。温度や水質を完全にコントロールした屋内型の植物工場で水耕栽培する技術を確立したことで、天候に左右されない通年安定供給と手頃な価格が実現しました。
カイワレ大根やブロッコリースプラウトとの大きな違いは、その育成段階にあります。一般的なスプラウトが発芽直後の暗室で育った極めて初期の段階で出荷されるのに対し、豆苗は発芽後にしっかりと太陽光(または育成用照明)を浴びせて光合成を行わせ、緑化させてから収穫します。豆の持つたんぱく質や糖質の力に加え、光合成による葉緑素やビタミンが凝縮された「豆と緑黄色野菜のハイブリッド野菜」であることが、豆苗の植物学的な最大の特徴です。