ミルクの量が適正であるかを判定する上で、唯一無二の客観的指標となるのが母子健康手帳に掲載されている「乳児身体発育曲線」です。
厚生労働省の統計データに基づく、生後8ヶ月〜9ヶ月未満における身体測定値の標準範囲(パーセンタイル範囲:3〜97%の乳児が収まる帯)は以下の通りです。
- 男の子:体重 6.96kg 〜 10.14kg / 身長 66.3cm 〜 75.0cm
- 女の子:体重 6.53kg 〜 9.63kg / 身長 64.4cm 〜 73.4cm
ここで極めて重要なのは、「現在の体重がグラフの中央(50パーセンタイル)にあるかどうか」ではありません。「その子自身の過去の成長プロットを結んだ線が、曲線のカーブの傾きとおおむね並行に右肩上がりを描いているか」という点です。
生後8ヶ月は、生後直後のような1日25〜30g単位の急激な体重増加は見られなくなり、1日あたり10〜15g前後の緩やかな増加へとシフトします。運動量の増加によって一時的に体重の増えが横ばいになる「踊り場」を迎えることも珍しくありません。グラフの帯の下限付近に位置していても、その子なりのペースで右肩上がりに推移しており、太ももや腕に適度なハリがあり、おしっこが1日6回以上しっかり出ていれば、脱水や栄養失調の心配はありません。
受診を検討すべき明確な基準は、「体重が1ヶ月以上にわたって完全に横ばい、あるいは減少に転じた場合」や「発育曲線のバンド(パーセンタイル帯)を2段階以上下回る方向へ急降下した場合」です。この兆候が見られた際には、自己判断でミルクを増減させる前に、かかりつけの小児科医を受診してください。