エッジワース・カイパーベルトの真実|冥王星降格と太陽系最果ての謎

エッジワース・カイパーベルトの真実|冥王星降格と太陽系最果ての謎

エッジワース・カイパーベルトの真実|冥王星降格と太陽系最果ての謎を詳しくリサーチ! 知っておきたい 情報と解説を分かりやすく展開します。

海王星より外側に存在する天体を総称して「太陽系外縁天体(TNO)」と呼びます。その構造を鳥瞰するうえで最も重要なのは、オールトの雲との決定的な違いを整理しておくことです。

エッジワース・カイパーベルトが黄道面(惑星が回る平面)に沿った比較的平らな「ディスク状(ドーナツ型)」の分布をしているのに対し、オールトの雲は太陽系を全方位から巨大な球殻状に包み込む未知の領域です。距離も桁外れで、カイパーベルトの限界が50〜数十AUとされるのに対し、オールトの雲は約2,000〜100,000 AUという、恒星間空間の手前まで広がっています。

ここから導き出されるのが、短周期彗星の起源の真相です。ハレー彗星やエンケ彗星といった周期200年以内の彗星は、主としてエッジワース・カイパーベルトやその外縁の散乱円盤天体(SDO)から軌道を乱されて内側へ供給されます。一方で、数千年〜数万年もの長大な周期を持つ長周期彗星は、はるか彼方のオールトの雲から太陽へと落ちてきます。

主要な準惑星・太陽系外縁天体の実態

現在認知されている代表的な大型外縁天体には、それぞれ極めて個性的な特徴があります。

・冥王星(Pluto):直径約2,377km。メタンや窒素の氷に覆われ、巨大なハート型をした窒素氷河(スプートニク平原)を有する、外縁天体の代表格。

・エリス(Eris):直径約2,326km。冥王星よりわずかに小さいものの、岩石含有率が高く質量は冥王星を約27%上回る。極めて高い反射率(アルベド)を誇る氷の準惑星。

・ハウメア(Haumea):約3.9時間という猛烈な速度で自転しているため、遠心力によってフットボールのような楕円体に変形している。外縁天体として初めて環(リング)の存在が確認された。

・マケマケ(Makemake):極低温のメタン氷に覆われた赤みを帯びた表面を持つ天体。衛星の軌道解析から詳細な物理特性の解明が進んでいる。

・セドナ(Sedna):近日点ですら約76 AU、遠日点は約900 AUに達する極端な楕円軌道を描く。エッジワース・カイパーベルトをはるかに脱しており、「内オールトの雲」天体とも目される謎の深宇宙天体。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。