聖心女子大学の偏差値と難易度推移|「難易度低下」噂の真相を解剖

聖心女子大学の偏差値と難易度推移|「難易度低下」噂の真相を解剖

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教育関係者や保護者世代の間でしばしば議論の的となるのが、「聖心女子大学の難易度は昔に比べて下がったのか」という命題です。結論から言えば、1980年代後半から1990年代初頭のバブル期・女子大ブーム期と比較した場合、聖心女子大学難易度推移の指標としての一般入試偏差値は相対的に軟化しています。しかし、これは同大学固有の失速ではなく、日本の高等教育界全体を巻き込む構造変化に起因しています。

全国の女子大学偏差値ランキングを時系列で俯瞰すると、津田塾大学、東京女子大学、日本女子大学を含む名門女子大群全体において、一般選抜の志願者数が緩やかに減少傾向をたどってきました。主な要因として以下の3点が挙げられます。

第1に、1990年代以降の共学志向の急速な定着です。多くの女子受験生がMARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)をはじめとする共学総合大学を選択肢に含めるようになり、女子大への単願志願者が分散しました。

第2に、入試形態の多様化と定員充足戦略の転換です。聖心女子大学では、カトリック系女子校や全国の進学校からの聖心女子大学指定校推薦枠を重視しており、総合型選抜や学校推薦型選抜で早期に一定割合の優秀な学生を確保しています。この結果、一般選抜枠の比率が絞り込まれ、見かけの聖心女子大学倍率は1.5倍〜2.5倍程度で推移する落ち着いた入試動向となっています。

第3に、実学志向・理系志向の高まりです。資格取得やIT・理系分野を志向する受験生が増えるなかで、純粋なリベラルアーツを標榜する文系単科大学の偏差値指標が過小評価されやすい市場環境が形成されています。したがって、「偏差値が下がった=教育の質や学生の質が低下した」と短絡的に結論づけるのは、現代の大学入試の複眼的な構造を見落とした誤認と言わざるを得ません。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。