嗜好品とは何か?食品との違いや心を満たす理由・最新動向を解剖

嗜好品とは何か?食品との違いや心を満たす理由・最新動向を解剖

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嗜好品が心に潤いを与える一方で、その背中合わせに存在する「依存性」と「身体的毒性」から目を背けることはできません。ネット上では「自然由来のハーブやコーヒーなら何杯飲んでも体に良い」「少量のお酒は百薬の長だから毎日飲むべき」といった極端な言説が散見されますが、これらは医学的に正確ではありません。

医学的エビデンスに基づく重要な盲点として、以下の2点を直視する必要があります。

第一に、「酒は百薬の長」という神話の修正です。厚生労働省が公表した最新の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」でも指摘されている通り、純アルコール換算で週の摂取量が増えるほど、高血圧、大腸がん、脳出血などの発症リスクは直線的に上昇します。「少量なら死亡率が下がる」とされたかつてのJカーブ効果は、心疾患などごく一部の病態に限られたものであり、健康面だけを捉えれば「飲まないに越したことはない」というのが国際的な医学界の共通見解です。

第二に、カフェイン耐性と睡眠構造の破壊です。日常的に1日400mg(レギュラーコーヒー約4〜5杯分)を超えるカフェインを摂取し続けると、脳の受容体が鈍化し、同じ覚醒感を得るためにより多くの量を求める「耐性」が生じます。さらに、午後以降のカフェイン摂取は体内の半減期(約4〜6時間、代謝機能によっては最大8時間以上)の関係上、自覚症状がなくても深いノンレム睡眠を大幅に削り、慢性的な疲労の蓄積を引き起こす元凶となります。

嗜好品は「毒にも薬にもなる両刃の剣」です。成分が脳の報酬系(快楽物質であるドーパミン経路)に直接作用する性質を持つ以上、自己管理を失った瞬間に、それは「生活を豊かにする嗜好」から「生活を支配する依存(アディクション)」へと変貌してしまいます。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。