宮に初めて参りたるころ現代語訳|清少納言が恥じた真相とテスト対策完全版

宮に初めて参りたるころ現代語訳|清少納言が恥じた真相とテスト対策完全版

宮に初めて参りたるころ現代語訳|清少納言が恥じた真相とテスト対策完全版の重要ポイントをお届けします。専門的な知識がチェックできます。

教科書に掲載されている定番の本文を3つの場面に分け、原文と枕草子宮に初めて参りたるころ全文訳を対比させながら確認します。テスト直前の総復習や文脈理解に役立ててください。

第一場面:宮仕え初日の羞恥と、中宮定子との対面

【原文】
宮に初めて参りたるころ、もののはづかしきことの数知らぬに、涙も落ちぬべければ、夜夜(よるよる)参りて、三尺の御几帳の後(うしろ)にさぶらふに、絵など取り出でて見せさせ給ふ。ことごとも目にもとまらず、いとあやしく、手も震へて、まづいとわろし。

【現代語訳】
中宮様(定子)の御所に初めて出仕したころ、なんとなく気恥ずかしいことが数え切れないほど多く、恥ずかしさのあまり涙もこぼれてしまいそうなので、毎夜毎夜お伺いしては、三尺の御几帳(みきちょう=目隠しの仕切り)の後ろにお控え申し上げていたところ、中宮様は絵などを取り出して私にお見せくださる。しかし、それ以外のものなど何ひとつ目にも留まらず、まったくわけもわからず、手も震えてしまって、手元のおぼつかなさは実にひどいありさまである。

第二場面:定子の優美な姿と「絵にかきたる心地」

【原文】
「これは、これこれ」など仰せらるるを、かしこまりて、御几帳より頭(かしら)も出ださぬに、御前(おまへ)近う召して、御硯(すずり)など寄せさせ給ひて、紙などを取らせ給へば、いと恐ろしう、汗も落ちぬべし。
「いとよし、まゐらせ給へ。御前には、絵にかきたる心地ぞする」と仰せらるる御声も、いとめでたく、いみじう恥づかしきまでぞ、気高う見えさせ給ふ。

【現代語訳】
中宮様が「これはこれこれの絵ですよ」などとおっしゃるのを、恐縮して、几帳の後ろから頭も出さないでいると、中宮様は私の座席を御前近くにお呼び寄せになり、お硯などを引き寄せなさって、紙などを私にお授けになるので、私はひどく恐れ多くて、冷や汗が流れ落ちそうである。
中宮様が「大変よろしい、お受け取りなさい。御前に控えるそなたは、まるで絵に描いた美しい女性のような感じがしますよ」とおっしゃるお声も、たいそう素晴らしく、こちらがひどく気恥ずかしくなるほどに、気品高く見えなさる。

第三場面:翌朝の退出と引き留め

【原文】
夜いたう更けて、退出(まかで)なむとすれば、「まだ夜深し」と仰せらるるを、引き留めさせ給ふことの、いとありがたきに、また参りてさぶらふに、明け果てぬれば、昼はおぼろけならむ人は、えさぶらひまじき御前の気配(けはひ)なれば、御簾(みす)の隙(ひま)より、いかで立ち去らむと思ふに、「はや立ちて」と仰せらるるも、ありがたう思ひきこゆ。

【現代語訳】
夜がたいそう更けて、退出申しあげようとすると、中宮様が「まだ夜が深いです」とおっしゃる。そのようにして引き留めてくださることが、まことにめったにない光栄なことなので、再びお側近くに上がってお仕えしているうちに、すっかり夜が明けてしまった。昼間は並大抵の身分の者はお仕えできそうにない御前の厳かなご様子であるため、御簾の隙間から、何とかして立ち去りたいと思っていると、中宮様が「早くお立ちなさい(誰かに見られないうちに帰りなさい)」とおっしゃってくださるのも、本当にありがたいことだとお思い申し上げる。

ここで押さえておきたい宮に初めて参りたるころ重要古語は次の4語です。試験で語句の意味を問われた際は文脈に沿って正確に記述する必要があります。

  • もののはづかし(物の恥づかし):なんとなく気恥ずかしい。理由も判然とせず気後れがする。
  • あやし(怪し・奇し):不思議だ、わけがわからない。(この文脈では自己の動揺を指す)
  • 気高し(けだし):気品がある、高貴で犯しがたい美しさがある。
  • ありがたし(有り難し):めったにない、滅相もないほど尊く感謝に堪えない。
渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。