道南の道の駅を語る上で欠かせないのが、現地でしか味わえない限定グルメとソフトクリームのハイレベルな競演です。SNSで拡散され続けるバズグルメの裏側には、地元生産者との緊密な連携と、一次産業の鮮度をダイレクトに届ける徹底したこだわりが存在します。
まず押さえるべきは、「道の駅 なないろ・ななえ」が誇る「王様しいたけコロッケ」と「峠下テラス」の限定スイーツです。肉厚でアワビのような歯ごたえを持つ地元産の王様しいたけを使った揚げたてコロッケは、一口かじった瞬間に芳醇な出汁の香りが鼻腔を抜けます。スイーツ部門では、同町特産のりんごをふんだんに使用したアップルパイに加え、大沼の名門「山川牧場」の濃厚な生乳を使ったソフトクリームと、北海道民のソウルドリンク「コアップガラナ」をミックスした「ガラナソフト」が異彩を放っています。濃厚なミルクの甘みとガラナ特有のスパイシーな爽快感が絶妙に調和し、他では絶対に体験できない味わいを生み出しています。
一方、木古内町の「みそぎの郷 きこない」を訪れた人々が行列を作るのは、店内併設のベーカリー「コッペんどんどん」が焼き上げる「ぱくぱく塩パン」です。津軽海峡の海水をじっくり煮詰めて作られる伝統の「みそぎの塩」を練り込み、外側はカリッと香ばしく、内側からは上質なバターがジュワッと溢れ出します。焼き上がり時間に合わせて館内アナウンスが流れると、数十本単位でまとめ買いする観光客が殺到する光景は日常茶飯事。さらに、スイーツカウンターで提供される「みそぎ塩ソフトクリーム」は、微細な塩味がミルクのコクを限界まで引き上げる珠玉の逸品として、甘党・辛党双方から支持を集めています。
海産物のエンターテインメント性で群を抜くのが、噴火湾に面した「しかべ間歇泉公園」の「浜のかあさん食堂」と「温泉蒸し釜」です。売店で鹿部産タラコや活ホタテ、豚肉や旬の野菜がセットになった蒸しカゴを購入し、約100度の天然温泉蒸気が噴き出す屋外の蒸し処へ。自分でタイマーをセットし、数分間蒸し上げるプロセスは旅の最高の高揚感となります。塩分を含んだ温泉蒸気によって素材本来の旨味がぎゅっと閉じ込められ、余計な調味料を必要としない極上の蒸し料理が完成します。