ゼークトの組織論で最も危険な人物とは?元ネタの真相と4タイプ配置術

ゼークトの組織論で最も危険な人物とは?元ネタの真相と4タイプ配置術

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日本国内のビジネス書やWeb記事では長らく「ゼークトの組織論」として定着していますが、歴史的史料を厳密に検証すると、この言説には大きな事実誤認が含まれています。この4分類を考案した真の人物は、ハンス・フォン・ゼークトではなく、同じくドイツ軍の重鎮であったクルト・フォン・ハマーシュタイン=エクヴォルト将軍です。

ハンス・フォン・ゼークト将軍の実際の経歴を振り返ると、第一次世界大戦後のヴェルサイユ条約によって兵力10万人に制限されたワイマール共和国軍において、陸軍統御部長(兵務局長)を務め、徹底した少数精鋭のエリート軍隊を作り上げた名将です。彼の著書『一軍人の思想(Gedanken eines Soldaten)』を精読しても、軍人の4分類に関する記述は一切見当たりません。

この分類の原典は、ドイツの作家ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガーが著した評伝『ハマーシュタイン、または沈黙(Hammerstein oder der Eigensinn)』などの文献で引用されているハマーシュタイン将軍の言葉です。ハマーシュタインは部下を「利口・愚鈍・勤勉・怠惰」の4要素で評価し、最も危険な存在として「愚かで勤勉な者」を挙げました。日本に情報が輸入される過程で、高名な軍制改革者であったゼークトの名前とすり替わり、「ゼークトの組織論」という誤った通称で広まってしまったのが真相です。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。