福島県警察本部や佐賀県警察本部などの交通部門が公表している広報資料によると、停電時の交差点における交通整理の経緯として、発災初期は信号機が完全に消灯(滅灯)し、一時的に激しい混乱と交通麻痺が発生します。その後、警察署からの緊急配備計画に基づき、幹線道路の主要交差点から順次警察官が配置され、手信号による交通整理が開始されます。
実際の災害現場や多車線の大規模交差点では、交差点の中央に1名だけが立つのではなく、複数の警察官が連携して交通整理を行うケースが標準的です。中央で全体の合図を出す主番の警察官と、各流入車線で停止や進行を個別誘導する補助警察官が配置されている場合、ドライバーは「直近で自分に対して直接合図を出している警察官の指示」に最優先で従う必要があります。
さらにドライバーが混乱しやすいのが、日没後や悪天候時における夜間の誘導棒・灯火による手信号の詳細です。夜間は警察官の身体の向きが見えにくくなるため、誘導棒(赤色や白色に発光する灯火)を用いて明確な合図が出されます。
灯火による基本動作は道路交通法施行令第1条で細かく定義されています。灯火を「頭上に高く掲げている状態」は、灯火を掲げている警察官に対面する方向にとって「赤信号」、平行する方向にとっては「黄信号」となります。また、灯火を「横に振っている状態」は、振られている灯火の進行方向と平行する交通に対して「青信号」を示し、その振られている面に対面する方向に対しては「赤信号」を意味します。暗闇の中で赤い誘導棒が激しく横に振られていると「止まれ」の警告に見えてしまいがちですが、進行方向と平行に振られている場合は「進め(青信号)」の指示であるため、正しい知識を持った見極めが不可欠です。