ビジネスの第一線で働く秘書業務従事者や総務・営業担当者を対象にした実務調査では、「2月中旬の時候の挨拶で失敗した経験がある」と答えた割合が約34%に達しています。その大半は、「テンプレートをそのまま貼り付けた結果、外の現実と著しく乖離してしまった」という事態です。
大手商社で役員秘書を務めるベテラン社員は、社内研修の場で次のように実情を語っています。「雪国に拠点を構える取引先に対し、カレンダー通りの機械的な判断で『春光うららかな好節』といった文面を送ってしまい、相手先の役員から『こちらは吹雪で孤立しかけているのですが』と苦笑い交じりの指摘を受けた事例がありました」。
SNSや知恵袋などのコミュニティ上でも、「東京発の定型メールで『春の気配』と書かれているが、東北の現場は氷点下で違和感しかない」「定型句をなぞるだけの挨拶なら、むしろ省略して本題に入ってくれた方が清潔感がある」といった率直な意見が散見されます。形式だけを取り繕うマナーは、時として受け手に「こちらの状況を見ていない」という冷淡な印象を与えてしまうのです。