全国の剣道ファンが固唾をのんで見守るなか、春日井の舞台で頂点に立ったのは、研ぎ澄まされた集中力と組織力でトーナメントを勝ち上がった筑波大学女子剣道部でした。決勝の相手となったのは、屈指の選手層を誇り、王座奪還に燃える日本体育大学女子剣道部。互いに一歩も譲らない名門同士の対決は、本大会の歴史に残る屈指の名勝負となりました。
試合は先鋒から中堅までがスコアレスドロー(引き分け)のまま推移する極限の膠着状態。わずかな隙も見逃さない副将戦で筑波大が鋭いコテを奪って一本勝ちを収め、リードを奪います。後がなくなった日体大の大将が果敢にメンを狙って前に出た瞬間、筑波大の大将が絶妙の出鼻メンを打ち込み、勝利を決定づけました。公式スコアは本数2-0、勝者数2-0。紙一重の勝負を分けたのは、相手の攻め気を完全に読み切った「後の先(ごのせん)」の極致でした。
試合後の記者会見で筑波大の主将が語った「チーム全員が誰かのミスを責めず、一本を信じて繋いだ結果」という言葉通り、個人の突出した技量以上に、5人制団体戦における戦術的な連動性が勝敗を決定づけた形です。