単発で働く際に、最も多くの利用者が誤解し、法的な壁にぶつかるのが「日雇い派遣」の規制です。労働者派遣法により、雇用期間が30日以内のいわゆる日雇い派遣は、原則として禁止されています。
派遣会社を通じて単発バイトに入る場合、以下の日雇い派遣の例外要件に該当していなければ契約を結ぶことができません。
【日雇い派遣の例外要件(主な基準)】
・60歳以上の人
・雇用保険の適用を受けない昼間学生
・本業の年間収入が500万円以上で副業として働く人
・世帯全体の年間収入が500万円以上で、主たる生計者以外の人
「年収500万円未満の単身フリーター」は、派遣会社を通した30日以内の単発派遣労働を行うことが法的にできません。この規制を回避するため、現在急拡大している多くのスポットワークアプリは「派遣」ではなく、企業と労働者が直接雇用契約を結ぶ「直接雇用型プラットフォーム」の形態をとっています。この契約形態の違いを理解していないと、登録時に源泉徴収票や世帯収入証明の提出を求められ、思わぬ足止めを食らうことになります。
さらに見過ごされがちなのが、日払いバイト確定申告と税金の問題です。「日払いで口座に振り込まれたから記録が残らない」「現金手渡しだから税務署には捕捉されない」というのは完全な誤謬です。企業側は税法上、誰にいくら賃金を支払ったかの法定調書(給与支払報告書)を市区町村へ提出する義務があります。
本業を持つ会社員が副業として単発バイトを行い、年間所得(収入から経費を引いた額)が20万円を超えた場合は、税務署への確定申告が義務付けられます。たとえ20万円以下であっても、住民税の申告は別途必要であり、無申告のまま放置すれば延滞税や加算税のリスクが生じます。また、給与受取時に「乙欄(主たる給与以外の収入に対する高率の源泉徴収)」で税金が引かれているケースでは、確定申告を自ら行わなければ払い過ぎた税金を取り戻すことすらできません。