家庭用洗濯機に一般的な弱アルカリ性や中性の液体洗剤を入れ、標準コースで洗うだけでは、なぜ黄ばみを防げないのでしょうか。大手消費財メーカーの基盤研究所が発表した界面科学データによると、普段の洗濯で落とせている皮脂汚れは全体の約60〜70%程度に過ぎず、残りの30%前後は目に見えない極微量の油分として綿やポリエステルの繊維内部に残留しています。
この時間が経った黄ばみ理由の主犯となるのが、人間の皮脂に含まれる「スクワレン」や「遊離脂肪酸」です。これらは空気に触れ続けることで徐々に過酸化脂質へと変質し、黄色から褐色へと変色していきます。さらに厄介なことに、皮膚から剥がれ落ちた角質(タンパク質)がこの脂質と複雑に絡み合い、繊維を覆う頑固な複合皮膜を形成してしまうのです。
通常の洗濯水(15〜20℃前後)では、皮脂の融点(約37℃)を下回っているため、油分が固まったまま繊維にへばりついています。確実な皮脂汚れ分解方法を成立させるには、「温度(40〜50℃)」「アルカリ度」「界面活性剤の濃度」の3要素を掛け合わせ、固まった油分を物理的に緩めながら化学的に加水分解・乳化させる工程が欠かせません。