フィットネスクラブの現場観察やSNS、知恵袋に寄せられる膨大な悩み相談を精査すると、健康志向の人々が陥る典型的な行動パターンが浮かび上がってきます。
「今年こそはと意気込んで毎日ジムに通い詰めたが、3週間で全身が鉛のように重くなり挫折した」「ネットの『毎日1万歩』を愚直に守っていたら足底腱膜炎になり、歩行すら困難になった」という切実な告白は枚挙にいとまがありません。真面目で自己規律を重んじる人ほど、「適度」のラインを飛び越え、自己処罰的なオーバーワークに突入してしまいます。
現場のスポーツ指導者は「挫折する人の約8割は、運動量が足りないのではなく、最初からアクセルを踏み込みすぎている」と指摘します。運動を始めた直後のモチベーションの高さを「自分の日常の体力」と錯覚し、休養のスケジュールを組み込まないことが、故障やバーンアウト(燃え尽き症候群)を生む根本原因となっています。