政治的・制度的な緊張関係とは対照的に、神戸の地に根ざした教育現場には、温かな日常と地域住民との血の通った交流が存在します。その中心を担っているのが、熱心な保護者組織である「アボジ会(父親会)」と「オモニ会(母親会)」です。
学校を支える一大イベントとして地域に定着しているのが、毎年開催される「神戸朝鮮初中級学校バザー」です。学校の運動場や講堂を全面開放して行われるこの催しには、保護者が丹精込めて仕込んだ本格的なキムチや焼肉、チヂミ、ヤンニョムチキンなどの屋台がずらりと並びます。当日は保護者や同胞関係者だけでなく、近隣の日本人住民や商店街の常連客、多文化共生を学ぶ大学生なども多数訪れ、会場は身動きが取れないほどの熱気に包まれます。実際にバザーを訪れた近隣住民は次のように語ります。
「最初は少し敷居が高いように感じていましたが、一度訪れてみると先生方も保護者の方も非常に気さくで、子どもたちが元気いっぱいに挨拶してくれます。料理も本当においしく、今では秋の恒例の楽しみになっています」(近隣在住の60代男性)
また、スポーツを通じた交流イベントも活発に行われています。直近の実例として、公式情報によると2024年12月1日には同校体育館にて「2024阪神カップ」が開催されました。近隣地域のクラブチームや合同チーム「ムジゲ」とともに参戦した子どもたちは、限られた合同練習の条件を乗り越え、6年生を中心に見事なチームワークを発揮して2勝1敗・堂々第3位という好成績を収めました。スタンドにはアボジ・オモニたちの力強い歓声が響き渡り、勝敗を超えた子ども同士のスポーツマンシップが育まれています。
保護者の手記やインタビューでは、「自分たちのルーツを否定せず、胸を張って生きるための誇りを教えてくれる場所」「学校の維持は決して楽ではないが、先生方が家族のように親身になって一人ひとりを育ててくれる」という深い愛情と信頼の言葉が共通して語られています。