3000円の花束が一部で「しょぼい」「小さすぎる」と感じられてしまう背景には、花の品質ではなく仕立て方の形状(フォルム)による視覚的な錯覚が大きく関係しています。生花の仕立て方には、大きく分けて「ラウンドブーケ」と「ワンサイドブーケ」の2種類が存在します。
いわゆる3000円花束が小さく見える理由の最たるものは、近年流行しているドーム型の「ラウンドブーケ」を選んでしまっているケースです。ラウンド型は上や全方位(360度)から鑑賞することを前提としており、花の茎を短く切り揃えてキュッと密集させて束ねます。そのため、直径は15〜20cm、高さも20〜25cmほどに凝縮され、高級な花材を贅沢に使っていたとしても、遠目には両手にすっぽり収まる「小ぶりな塊」に見えてしまうのです。
対照的に、「ワンサイドブーケ(片面仕立て)」は背面をラッピングペーパーで覆い、花をすべて正面に向けて階段状に段差をつけて配置します。これにより、同じ3000円という予算と本数であっても、縦の長さを40cm以上まで引き伸ばし、正面から見た表面積をラウンド型の1.5倍から2倍近く広く見せることが可能になります。
特に送別会のステージや式典など、人が集まる場で手渡しをするシーンでは、遠くの列席者からも花束の輪郭がはっきりと認識できる「ワンサイドブーケ」でなければ、実寸以上に小さく見えてしまい、「しょぼい」という不本意な印象を与えてしまう原因になります。