手帳取得をスムーズに進めるためには、手順と担当医の選定において絶対に押さえておくべきルールが存在します。ペースメーカー障害者手帳申請手続きは、一般的な診断書では受理されません。
申請の成否と等級判定のベースを握るのは、指定された医師のみが執筆できる身体障害者診断書意見書です。都道府県知事から指定を受けた「身体障害者福祉法第15条指定医」が作成した書類でなければ、福祉窓口に提出しても受け取りを拒否されます。心臓血管外科や循環器内科の主治医が15条指定医であるか、手術前の段階で病院の入退院支援窓口や医療連携室に確認しておくことが第一の関門です。
申請の標準的なロードマップは以下の4段階で進行します。
- 申請書類の入手:居住地を管轄する市区町村の役所(障害福祉課・福祉事務所等)の窓口で、心臓機能障害用の身体障害者診断書・意見書用紙と申請書一式を受領する(自治体ウェブサイトからダウンロード可能な場合も多い)。
- 指定医への作成依頼:手術を担当した病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)または主治医(15条指定医)へ診断書の記載を依頼。診断書料(一般的に5,000円〜1万円前後)が発生する。
- 役所窓口への書類提出:記入済み診断書、本人の顔写真(縦4cm×横3cm)、マイナンバー確認書類、本人確認書類を揃えて窓口へ提出。
- 審査と手帳交付:各自治体の障害者更生相談所等による審査を経て、申請から約1〜2ヶ月後に交付決定通知が届く。役所窓口で手帳を受領する。
ここで多くの人が見落とす決定的な注意点が「診断書作成のタイミング」です。心臓機能の永続的な障害度合いを評価する性質上、術後直ちに書ける項目と、術後数ヶ月の経過観察を経て心機能が安定してからでなければ記載できない項目があります。退院支援を行う医療ソーシャルワーカーと密に連携を取り、最も適切な時期に意見書を作成してもらう段取りを組むことが、手戻りを防ぐ最大の秘訣です。