鶴竜力三郎の相撲人生は、まさに不屈の努力の軌跡でした。モンゴルのウランバートル出身で、父親は大学教授という知識階級の家庭に育ちながら、相撲への憧れを胸に単身来日。恵まれた体格とは言えなかったものの、卓越した技能と鋭い立ち合い、強烈な「もろ差し」を武器に番付を駆け上がりました。
現役時代の主要な戦績は以下の通り、相撲史に燦然と輝く数字を残しています。
- 通算成績:785勝453敗101休(通算113場所)
- 幕内成績:645勝394敗101休(幕内83場所)
- 幕内最高優勝:6回
- 三賞受賞:技能賞7回、殊勲賞2回
しかし、横綱昇進後は相次ぐ故障との戦いでもありました。特に晩年は腰痛や右肘の靭帯損傷、左肩の負傷などに苦しみ、休場を余儀なくされる場所が続きました。進退をかけて臨むはずだった2026年春場所前、持病の腰痛が再発して無念の休場を決断。横綱審議委員会からの「注意」決議を受ける中、「これ以上、横綱としての相撲が取れない」と判断し、2026年3月24日に現役引退を表明しました。最後まで横綱の責任と美学を貫いた潔い幕引きでした。