数年前までSNSを席巻した極端な「断捨離」や「無駄を極限まで削ぎ落とす生活」には、いま明らかな揺り戻しが起きています。取材を通じて見えてきたミニマリスト生活の実態は、持たないこと自体が目的化し、かえって精神的なストレスを抱える「ミニマリスト疲れ」の顕在化です。2026年の現在では、物を減らすことよりも「心から愛着の持てる少数のアイテムに囲まれる」という、質の高さを求めるアプローチへ進化しました。
一方で、手作りの調味料や手間暇をかけた家事を愛でる丁寧な暮らしの評判についても、現実的な見直しが進んでいます。かつては完璧なルーティン動画が称賛されましたが、現在は「無理をして背伸びをしない、等身大の丁寧さ」が高く評価される傾向にあります。平日はスマート家電とミールキットをフル活用して合理化を徹底し、週末の限られた時間だけ趣味の料理に没頭するといった、メリハリの利いた生活様式が賢明な選択肢として定着しています。