綿矢りさの作家としてのキャリアは、まさに鮮烈な幕開けでした。高校在学中の17歳で執筆した『インストール』が第38回文芸賞を受賞。痛快かつ切実な思春期の心の機微を描き出し、一躍「現役女子高生作家」として大きな注目を浴びます。
その後、早稲田大学教育学部国語国文学科へ進学。大学在学中の2003年に発表した『蹴りたい背中』で、金原ひとみ氏の『蛇にピアス』と共に第130回芥川賞を最年少(19歳11か月)で受賞しました。文芸誌だけでなくワイドショーや一般週刊誌までが連日報道し、単行本はミリオンセラーを記録。大学生活と過熱するメディア報道の狭間に立ちながらも、彼女は学業と執筆を実直に両立させ、早稲田大学を無事卒業しました。
若くして浴びた強烈な脚光は、時に作家としてのプレッシャーになりかねないものでしたが、彼女は消費されることなく、自らのペースで着実に筆を磨き上げていくことになります。