井上芳雄さんの若い頃のキャリアを語る上で欠かせないのが、伝説とも言われるデビュー当時のエピソードです。東京藝術大学在学中の2000年、ミュージカル『エリザベート』の日本初演において、オーストリア皇太子ルドルフ役のオーディションに見事合格し、彗星のごとくデビューを飾りました。
当時まだ20歳そこそこだった井上芳雄さんは、繊細で高貴なルドルフを瑞々しく演じ切り、演劇界に鮮烈な衝撃を与えました。端正なルックスと圧倒的な歌唱力、清潔感あふれる佇まいから、瞬く間に「ミュージカル界のプリンス」の称号を獲得。この成功を皮切りに、『モーツァルト!』『ハムレット』など数々の大作主演を次々と射止めていきます。
これまでの経歴をまとめると、若くしてトップに立った後も決して甘んじることなく、読売演劇大賞や芸術選奨文部科学大臣新人賞など権威ある賞を総なめにし、名実ともに日本ミュージカル界の頂点へと登り詰めました。