1999年から2000年にかけ、当時12歳を迎えた三浦大知の歌声に明らかな変化が訪れました。男性であれば誰もが経験する「変声期」です。
当時の音楽プロデューサーや沖縄アクターズスクール校長のマキノ正幸氏、そして所属事務所のライジングプロダクションは、喉を酷使して将来の歌声を潰してしまうことを極めて強く警戒しました。芸能界の歴史においては、変声期にもかかわらず無理に高音を歌わせ続けた結果、喉の靭帯を痛めて引退を余儀なくされた天才子役歌手が少なくありません。
関係者への取材や当時の手記によると、三浦大知本人は歌えない焦燥感やグループを離れる葛藤を抱えながらも、周囲の大人たちから「今は喉を休め、基礎的な体力作りとダンスの習得に専念すべきだ」という指導を受け、2000年にFolderとしての活動を一時休止(実質的なグループ卒業)する英断を下しました。
三浦大知が喉を休めている間、残された女性メンバー5名(AKINA、HIKARI、ARISA、NATSU、MOE)によって2000年5月に結成されたのが「Folder5」です。Folder5はフジテレビ系アニメ『ONE PIECE』のオープニングテーマとなった「Believe」が記録的な大ヒットとなり、ユーロビート調のダンスグループとして独自の地位を確立しました。
一方、約5年間の潜伏期間を経て喉が完全に成熟した三浦大知は、2005年にシングル「Keep It Goin' On」で待望のソロデビューを果たします。変声期にじっくりと育まれた身体能力、海外のストリートダンスを吸収したステップ、そして大人の深みを増した歌声が融合し、現在のトップエンターテイナーへの階段を駆け上がっていったのです。