2004年3月21日、東京宝塚劇場公演『薔薇の封印―ヴァンパイア・レクイエム―』の千秋楽をもって、紫吹淳は宝塚歌劇団を退団しました。
鬼才・小池修一郎が紫吹淳のために書き下ろしたこの作品は、数百年を生きるヴァンパイアの数奇な運命を描いた大作。妖艶で神秘的な美しさを放つ主人公フランシスは、まさに紫吹淳という稀代の男役の集大成にふさわしい役どころでした。
トップスターとして絶頂期にある中での退団理由について、彼女自身は「男役としてやり残したことはない」「自分の思い描く最高の男役像を完成させることができた」という想いを明かしています。宝塚のトップスターは常に自らの美学と向き合い、最も輝いている瞬間に幕を引くもの。紫吹淳もまた、男役の究極の美を舞台に残したまま、惜しまれつつタカラヅカに別れを告げました。