なぜ彼はこれほどまでに観客を魅了するのか。その秘密は、常軌を逸した役作りと圧倒的な準備量にある。『リーガル・ハイ』で演じた毒舌弁護士・古美門研介役で見せた超高速の長台詞は、もはや古典劇の口立てを思わせる神業だった。膨大なセリフを体に染み込ませ、一音の狂いもなく吐き出すその技量は、血のにじむような稽古の賜物である。
台本がボロボロになるまで読み込み、役柄の背景にある歴史や専門知識を完璧に踏破する。演じるキャラクターになりきるのではなく、その人物の思想そのものを自らの肉体に宿らせる。笑顔の奥に冷徹な狂気を込める独特の演技スタイルは、徹底的な自己模索と計算の末に生み出された至高のアートなのだ。