本作はその圧倒的な知名度にもかかわらず、長年にわたり地上波ドラマ化や実写映画化が実現していません。その最大の理由は、小学生による凄惨な殺人、陰湿な動物虐待、児童への精神的虐待といった過激な描写が、現代の映像倫理基準(コンプライアンス)に極めて抵触しやすい点にあります。加えて、ミチオの一人称視点に依存した緻密な叙述トリックは、客観的なカメラワークを用いる映像メディアでは再現が極めて困難であることも理由の一つです。
一方で、2008年には漫画雑誌『月刊少年シリウス』にてコミカライズ(作画:井上紀良)が実現しています。全2巻で構成された漫画版では、原作が持つおどろおどろしい空気感や登場人物の狂気的な表情が巧みな筆致で視覚化されており、小説版とはまた異なるダイレクトな恐怖を味わえる仕上がりとして高く評価されています。