雲海の名所として知られる竹田城跡だが、その背景には壮大な戦国史が刻まれている。室町時代の15世紀半ば、但馬の守護大名であった山名宗全が播磨との国境を守る重要拠点として築城を開始したのが始まりとされる。完工までに13年もの歳月を要した城郭は、但馬の南の要衝として歴史の表舞台で重要な役割を果たしてきた。
安土桃山時代に入ると、羽柴秀吉(のちの豊臣秀吉)による但馬征伐に伴い、秀吉の弟である豊臣秀長が城主として入城。その後、最後の城主である赤松広秀の時代に現在残る見事な総石垣造りの城郭へと改修された。かつて武将たちが天下を握るべく対峙した歴史の舞台が、今や四季折々の自然と気象が織りなす絶景の地として新たな息吹を宿している。