1990年代後半から2000年代初頭にかけて、『さんまのからくりテレビ』はビデオリサーチの週間視聴率ランキングで常時トップ争いを繰り広げ、1998年には番組最高となる27.0%(関東地区)を記録しました。当時はフジテレビの『サザエさん』と並び、日曜夕方から夜にかけての「家族団らんの象徴」として君臨していました。
潮目が大きく変わったのは2010年代に入ってからのことです。裏番組である日本テレビ系『ザ!鉄腕!DASH!!』が本格的な農業・自然ドキュメント企画を軌道に乗せ、ファミリー層と若年層を急速に獲得。長年守り続けてきた日曜夜7時台の首位座を明け渡すことになります。2014年7月にスポーツ紙各社が「9月いっぱいでの打ち切り」を一斉に報じた際、関係者の取材データでは末期の平均視聴率が6〜8%前後にまで落ち込んでいた実態が浮き彫りになりました。
さらに現場を圧迫したのが、20年を超える長寿番組ゆえに肥大化した制作費です。トップ司会者である明石家さんまのギャランティをはじめ、関根勤、渡辺正行、浅田美代子、うつみ宮土理、長嶋一茂、小倉優子、つるの剛士といった豪華パネラー陣の出演料、さらには全国各地での大規模な街頭ロケ費用が重層的に積み上がっていました。TBS編成局のコスト構造見直しと「番組改編による若返り」の波に抗えなくなったことが、22年半の歴史に幕を下ろす決定打となりました。
番組終了にあたり、明石家さんまは後年のラジオ番組等で「視聴率が取れなくなれば終わるのはプロとして当然の摂理」と語っており、局側との泥沼の対立ではなく、数字にシビアなお笑い怪獣としての矜持を持ってピリオドを打った経緯が窺えます。