成人年齢18歳への引き下げは、2018年6月13日に成立した民法改正案によるものだ。施行は2026年4月1日。実に140年ぶりの変更だった。では、なぜこのタイミングだったのか。表面的には「18歳・19歳の若者の自己決定権を尊重するため」「少子高齢化時代に若者の社会参加を促すため」と説明される。しかし、法改正の経緯を時系列で追うと、もう一つの“隠された理由”が浮かび上がる。
決定的だったのは2016年の選挙権年齢18歳への引き下げである。日本弁護士連合会や法務省の資料をひもとくと、選挙権が18歳になったことで「選挙で国政に参加できる18歳が、なぜローンを組めないのか」という法的整合性の問題がクローズアップされた。国会内でも「大人として扱うなら契約も大人扱いすべきだ」という意見が強まり、民法改正への流れが一気に加速したのだ。
また、明治時代に定められた「20歳成人」は、当時の徴兵制度や家制度を前提とした年齢設定だった。現代社会では18歳で高校を卒業し、就職や進学で親元を離れる若者も多く、実態と法律の乖離が長年指摘されていた。法務省の法制審議会が2009年に「18歳成人が適当」と答申してから、実際の改正まで約10年かかったことになる。2018年の国会審議では「若者の消費者被害が拡大するのでは」という懸念が何度も取り上げられ、最終的に消費者契約法の改正をセットで可決するという“条件付きの決着”となった経緯がある。