日本の議会政治は、明治憲法下の「読会制(本会議中心主義)」の反省に立ち、戦後の国会法制定に伴ってアメリカ議会型の「委員会中心主義」を採用しました。数千ページに及ぶ予算書や極めて複雑な法案条文を、数百人規模の本会議で逐一精査することは不可能です。そのため、専門分野の知識を持った議員が集まる委員会に実質的な調査・質疑・修正・採決の権限を委ね、本会議はその委員会の審査結果を最終確認・追認する場という構造になっています。
法案審議と採決の流れは、極めて厳格なステップを踏んで進行します。
【法案審議から成立までの基本ステップ】
① 本会議での趣旨説明・質疑(重要法案の場合のみ実施)
② 所管の常任委員会への付託(議長が審議を委託)
③ 委員会での趣旨説明・質疑応答(大臣や官僚、参考人に対する詳細な追及)
④ 討論および委員会採決(賛成・反対の意見表明後、挙手や起立で採決)
⑤ 本会議への報告および本会議採決(常任委員長の報告を経て最終議決)
この中で最も注目を集めるのが「予算委員会」の審査です。予算委員会は本来、国の一般会計・特別会計予算を審査する常任委員会ですが、予算があらゆる国政全般に関わるため、外交・安全保障・スキャンダル追及など「総理大臣と全閣僚出席のもとで全方位の論戦を行える唯一の舞台」として機能しています。テレビ中継を通じて世論を大きく動かすため、与野党にとって最大の主戦場となります。