ジュエリー選びで最も関心が集まるのが、モアサナイトとダイヤモンドの違い、そして人工ダイヤモンドとモアサナイトの違いです。見た目が酷似しているため混同されがちですが、化学組成から光学的挙動に至るまで全く異なる物質です。
天然ダイヤモンドおよび人工ダイヤモンド(ラボグロウンダイヤモンド)は、炭素(C)のみで構成される単一元素鉱物です。一方、モアサナイトは炭素とケイ素が結合した化合物(SiC)です。また、安価な模造石として普及しているキュービックジルコニア(CZ)は酸化ジルコニウム(ZrO2)であり、硬度や輝きの持続性においてモアサナイトとは一線を画します。
光学的性質における決定的な違いとして、モアサナイト特有の「複屈折(ダブリング)」が挙げられます。ダイヤモンドが光を1方向に等しく通す単屈折であるのに対し、モアサナイトは光が結晶内で2方向に分かれる性質を持っています。そのため、拡大鏡でファセット(カット面)の接合部を斜めから観察すると、稜線が二重に見える現象が確認できます。