家庭菜園の環境では、ミツバチなどの媒介昆虫が飛来する確率が低いため、確実な着果には人工授粉が欠かせません。
人工授粉の黄金タイムは「晴れた日の朝8時〜9時」です。メロンの花粉は高温になると活性が著しく低下し、10時を過ぎると受粉成功率が急落します。その日の朝に開花した新鮮な雄花を摘み取り、花びらを慎重に取り除いて花粉(葯)を露出させます。そして、子房(花の下にある丸い膨らみ)を持った雌花の柱頭へ、花粉を優しく撫でるようにまんべんなく擦りつけます。受粉作業を行った日付をラベルに記録しておくことが、後の収穫時期の正確な見極めに繋がります。
授粉から7〜10日ほど経つと、受粉に成功した実はピンポン玉サイズに肥大します。この段階で「摘果(てきか)」を行います。複数の実がついている場合、最も形の良い美しい卵型の1果だけを残し、他はすべてハサミで切り落とします。プランターの限られた土壌容量では、養分を1点に集中させることが糖度15度超の果実を作る絶対条件です。
追肥のタイミングは、果実が卵大〜テニスボール大に育つ「肥大期」が第一弾です。リン酸とカリ分を多く含む液肥を規定倍率で週1回施用します。そして、果実のネットが形成され始める受粉後25日頃に第二弾の追肥を行います。
メロンの甘さを決定づける最大の秘訣は、収穫前2週間の水管理です。肥大期までは土の表面が乾いたらたっぷり水を与えますが、収穫予定日の14日前からは徐々に水やり量を減らし、最後の7〜10日間は土がカラカラになるまで給水を制限(完全断水)します。植物体に意図的な乾燥ストレスを与えることで、果実内に蓄えられたショ糖・果糖が濃縮され、驚くほどの高糖度が完成します。