大手進学塾の小論文講師や全国読書感想文コンクールの関係者への取材から浮かび上がったのは、高校生の多くが無意識に陥っている「文字数稼ぎの罠」です。現場の採点官は、次のように証言しています。
「提出された原稿用紙をパッと開いた際、登場人物のセリフや作中の出来事が延々と引用されているものは、読んだ瞬間に分かります。あらすじを長々と書く行為は、自分の思考を深めることを放棄した『思考停止の証拠』として捉えられてしまいます」(都内進学校 国語科教諭)
「主人公の選択に100%賛成しなければならない」というネット上の思い込みも大きな誤解です。むしろ、主人公の行動に対して「私なら別の選択をした」「この結末には強い理不尽さを感じる」という論理的な反論や疑問を展開した作品の方が、自立した批評性として遥かに高い評価を獲得しています。