家庭や地域の日常食として親しまれていたあんかけ焼きそばが、全国区のブランドへと飛躍を遂げた契機は、2011年に結成された市民有志団体「小樽あんかけ焼きそば親衛隊」の存在です。
当時、人口減少と観光客の消費単価低迷に直面していた小樽市において、親衛隊は「観光客向けの海鮮だけでなく、市民が心から愛する本物の日常食で街を元気にしよう」と立ち上がりました。彼らはB-1グランプリへの出展を重ね、2014年の全国大会で上位入賞を果たすなど、小樽の食文化を全国へと力強く発信しました。
親衛隊の活動で特筆すべきは、単なるマスメディア向けのPRにとどまらず、店舗マップの作成や品質の底上げ、さらには地元製麺会社や食品メーカーと連携した公式タイアップ商品の開発など、持続可能な地域経済の循環構造を構築した点にあります。官民一体となった熱意が、昭和のソウルフードを令和の現代まで色褪せない観光資源へと昇華させました。