読者の間で長年「噛ませ犬」とネタにされがちな鎧の巨人(ライナー)の勝率ですが、作中データを精査すると意外な事実が浮き彫りになります。
ライナーはエレンとのタイマン、ジークとの決闘、雷槍部隊との交戦において敗北や苦戦を重ねてきました。しかし、この勝率低迷の背景には以下の軍事的・心理的要因が存在します。
第1に、技術革新による非対称戦の激化です。中東連合の対巨人徹甲弾やパラディ島の雷槍など、硬質化装甲をピンポイントで粉砕する兵器が次々と実戦投入された結果、鎧の巨人は最も兵器進化の煽りを受ける標的となりました。
第2に、ライナー自身の精神的破綻(アイデンティティクライシス)です。壁内の仲間への情愛とマーレの戦士としての任務の間で引き裂かれ、自責の念から「死に場所を求める」心理状態に陥っていた時期の戦闘では、本来の防御性能を十全に発揮できていませんでした。脳の機能を全身の神経系に分散させて即死を免れる超絶技巧や、終盤のスラトア要塞戦で見せた粘り強さこそがライナーの真骨頂であり、単なるスペック負けではないことがわかります。