情報が断片化しやすい現代のSNSにおいて、多くのファンが陥りがちな3つの盲点と誤解を正しく解体していきます。
第1の盲点は、「後藤以外の隠」との混同です。作中には多数の隠が登場します。那田蜘蛛山で負傷した善逸を手当てした女性隊員や、炭治郎を背負って運んだ名もなき隊員たちなど様々です。しかし、ファンダムにおいて「隠」と単体で呼ばれる場合、その9割以上は23歳の事後処理部隊隊士・後藤を指しています。公式ファンブック『鬼殺隊見聞録』でも後藤のプロフィールや本音、柱たちへの恐れおののきっぷりが詳細に語られており、彼個人の強いキャラクター性がミームの土台となっています。
第2の盲点は、「声優の豪華さによるバイアス」です。鬼滅の刃 隠 声優を担当した古川慎氏は、『ワンパンマン』のサイタマ役や『かぐや様は告らせたい』の白銀御行役などで知られる超実力派トップ声優です。後藤のわずか数分の出演シーンにも関わらず、圧倒的な演技力で視聴者の耳に強い印象を残したため、「主要キャラ並みの発言力を持つ名脇役」としてファンダム内で二次創作が急増するトリガーとなりました。
第3の盲点は、「日輪刀紛失エピソードとの混同」です。炭治郎は作中で幾度となく刀を折ったり刃こぼれさせたりして、刀鍛冶の鋼鐵塚蛍(はがねづかほたる)から包丁を持って追い回されるというお約束があります。この「刀を失う・別のものを手にする」という本編の文脈と、海外ミームの「それは刀じゃない」が頭の中で混ざり合い、「本編の未回収エピソードかスピンオフのセリフではないか」と勘違いしたファンが少なくありませんでした。