学校にあるもの大激変!消えた備品の理由と令和最新設備の真相

学校にあるもの大激変!消えた備品の理由と令和最新設備の真相

学校にあるもの大激変!消えた備品の理由と令和最新設備の真相の主要なニュースを丁寧にまとめました。全体像を一目で把握できます。

親世代が授業参観などで現在の校舎を訪れた際、もっとも強い衝撃を受けるのが「かつての定番アイテムが跡形もなく消えている」という事実です。その筆頭格が、健康診断の風物詩だった座高計廃止の真相です。

文部科学省は2014年4月に「学校保健安全法施行規則」を一部改正し、2016年(平成28年)4月1日より座高測定を健康診断の必須項目から正式に削除しました。昭和初期の1937年から約80年にわたって続けられてきた座高測定ですが、もともとは「座高が高い(胴が長い)ことは内臓が十分に発達している証拠であり、兵士としての体格基準に適している」という戦前の軍事的・医学的発想に端を発していました。戦後も長らく「上半身と下半身のプロポーションを把握する」という名目で漫然と測定が継続されていましたが、医学界・小児科医会からの「健康管理上の医学的有意性が極めて乏しい」という指摘が決定打となりました。現場教員からも「測定に割く膨大な時間と労力に対して得られる実利が何もない」という悲鳴が上がっており、合理的な業務見直しと児童生徒の尊厳配慮の結果、座高計は完全に役目を終えたのです。

理科室の象徴だった「アルコールランプ」の退場も、極めて合理的な安全管理の産物です。ガラス容器の破損による燃料漏れや、児童が衣服の袖を引っかけたことによる引火事故、点火時の火傷トラブルが全国の教育委員会で長年問題視されていました。日本理科教育振興協会のガイドライン刷新に伴い、現在の理科室では、つまみ一つで安全に着火・消火ができ、転倒時自動消火装置を備えた「実験用小型カセットコンロ」や「安全弁付きスクールバーナー」、さらには火気そのものを用いない「電熱器(IHクッカー)」への完全移行が果たされました。

学校から消えたもの理由を丹念に追跡すると、そこには「安全性の向上」「衛生環境の劇的改善」「人権意識の高まり」という明確な3つの軸が存在します。

かつて春の風物詩だった「ぎょう虫検査テープ」は、日本の上下水道の普及と衛生水準の向上により、寄生虫卵の検出率が0.1%未満にまで激減したため、2015年度末をもって健康診断項目から廃止されました。運動場に白線を引くための「ライン引き用の消石灰(水酸化カルシウム)」は、風で舞い上がった粉塵が児童の目に入り角膜を損傷する重篤な事故が相次いだことを受け、人体に無害な「炭酸カルシウム(卵殻や貝殻などを原料とする粉末)」へと全面代替されました。また、校庭の隅からもうもうと煙を上げていた「屋外焼却炉」は、1999年に成立したダイオキシン類対策特別措置法の排出基準強化によって一斉に撤去され、学校から発生するゴミは自治体の分別回収ルートへ集約されることとなったのです。

名札の校外着用も姿を消しました。昭和から平成初期にかけては「登下校時も左胸に氏名・学年を常時掲示する」ことが規則でしたが、不審者による声かけ事案や連れ去り事件、SNSへの個人情報流出リスクが顕在化した結果、登下校時は名札を外し校内に入ってから着用する、あるいは校外持ち出し禁止のケースが標準となっています。こうした昭和平成の懐かしい学校備品の退場は、単なるノスタルジーではなく、社会が子どもたちを取り巻くリスクに対して真摯に向き合ってきた軌跡そのものといえます。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。