道路舗装は、上から「表層」「基層」「上層路盤」「下層路盤」という多層構造で構成されている。車両の輪荷重を分散させて路床へ伝えるため、各層が緊密に連携しなければならない。このうち、砕石やスラグなどを締め固めて造る路盤工の最上面に施されるのがプライムコートである。
日本道路協会の『舗装施工便覧』および国土交通省の設計基準において、プライムコートが果たすべき目的と役割は主に以下の4点に集約される。
第1に、路盤表面の安定化と浸透結合である。締め固められた路盤の表層部は、微細な粉塵や小粒の砕石が浮きやすい不安定な状態にある。そこに低粘性のアスファルト乳剤を散布・浸透させることで、路盤材料の細骨材同士を強固にバインドし、表層・基層を施工する舗装機械(アスファルトフィニッシャやダンプトラック)の走行による路盤の乱れを防ぐ。
第2に、極めて重要なのが路盤工の防水効果だ。道路の最大の天敵は「水分」である。プライムコートが路盤の空隙を適度に充填して不透水性の皮膜を形成することで、降雨時の雨水が路盤内部へ浸透するのを防ぐ。同時に、地下からの毛細管現象による水分の吸い上げを遮断し、路盤の支持力(CBR値)の低下を物理的に食い止める。
第3に、アスファルト混合物層とのなじみ・接着性の向上である。無機質な砕石路盤と熱いアスファルト合材は、そのままでは馴染みにくい。プライムコートを介在させることで、路盤と上層のアスファルト混合物が一体化し、交通荷重による層間剥離を抑制する。
第4に、施工中における路盤の含水比保持が挙げられる。路盤材が急激に乾燥すると締固め密度が損なわれるが、乳剤皮膜が水分の蒸発を適度に抑える保護膜として機能する。