境内の南東側、小高い丘(浅間山・富士塚)の頂に佇む白亜の建造物――これこそが船橋大神宮の象徴の一つである「灯明台(とうみょうだい)」です。明治13年(1880年)に地元有志や浅草の魚河岸関係者らの浄財によって再建された、千葉県指定有形民俗文化財の貴重な遺構です。
外観は一見すると純和風の木造建築に見えますが、3階建ての最上部には当時最先端だった灯台形式(西洋式ガラス張り)が採用された「擬洋風建築」となっています。かつて船橋沿岸が東京湾の好漁場であり、江戸・東京へ鮮魚を供給する一大拠点であった時代、この灯明台の光は約11海里(約20km)先まで届き、夜間航行する多くの漁船や廻船の安全を守り続けました。
通常、内部は保安と文化財保護のため非公開となっていますが、毎年11月3日の「文化の日」前後に「船橋大神宮 灯明台一般公開」が実施されます。この日は普段立ち入れない内部構造を間近で見学できる貴重な機会となっており、歴史愛好家や建築ファンが全国から駆けつけます。普段の参拝時でも、階段下から見上げるその威容と、周囲の木々の調和は一見の価値があります。