ネット上のまとめ記事やSNSにおいて、芸能人の納税や年収に関してまことしやかに語られている情報のなかには、税制やマネタイズの実態を誤解したものが少なくありません。現場取材で判明している代表的な2つの誤解を是正します。
誤解1:「個人事務所を作れば、どんな私生活の支出も経費に落とせる」
これは完全な虚構です。国税局の調査官は、著名人や芸能関係の個人事務所に対して極めて厳格な目を光らせています。高級車や自宅兼事務所の家賃、ブランド品の購入費用について、私的な流用とみなされれば容赦なく否認され、重加算税が課されます。過去に何人もの著名人が追徴課税を受け、社会的信用を失った事例がそれを如実に示しています。
誤解2:「テレビで見かけなくなったベテランタレントは収入が激減している」
これも典型的な視聴者目線の錯覚です。過去に大ヒット曲を持つ歌手や、伝説的なドラマ・バラエティに出演したタレントは、カラオケ歌唱印税、再放送や配信の二次利用料、地方自治体や企業イベントでの営業ギャラによって、年間数千万円から数億円のキャッシュを安定して得ているケースが珍しくありません。メディアへの露出頻度と実質的な資産形成力は、必ずしも比例しないのがこの業界の冷徹なリアルです。