中小企業家同友会(以下、同友会)は全国で4万人以上の経営者が集う歴史ある組織ですが、現場からは悲鳴に近い脱退相談が頻発しています。その主因を掘り下げると、理想と現実の乖離による深刻なリソースの摩耗が浮かび上がってきます。
退会を希望する動機として圧倒的多数を占めるのが、役員負担の重さと本業への支障です。同友会は会員自身の自主運営を標榜しているため、例会の企画、報告者の選定、出欠確認、チラシ作成、懇親会の手配に至るまで、実務のほとんどを会員がボランティアで担います。
「役員を引き受けた途端、週の半分は同友会関連の打ち合わせや他支部の例会回り、さらにはゲスト動員のノルマ電話に追われる生活になった。肝心の本業で営業機会を逃し、社員から『社長は一体何の仕事をしているのか』と不信感を持たれた」――。これは取材に応じた都内の製造業2代目社長が明かした偽らざる告白です。
入会当初は「経営を学べる」「同じ志を持つ仲間ができる」と期待していた経営者が、いつの間にか「組織維持のための労働力」として消費されていく構図に耐えかね、脱退を決意するパターンが後を絶ちません。