嫌儲まとめはなぜ衰退したのか?転載禁止騒動の真相と5Chの現在

嫌儲まとめはなぜ衰退したのか?転載禁止騒動の真相と5Chの現在

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筆者は今回の検証にあたり、2012年のステマ騒動当時に嫌儲板へ移住し、現在はXや個人ブログに活動拠点を移した複数の元住民、および当時まとめブログを運営していた関係者に直接取材を行いました。

都内在住の40代元住民A氏は、寂しげな表情で当時を回顧します。
「あの頃は本当に熱気があった。巨大企業や悪質なまとめサイトが一般人を騙して大儲けしているのを暴くのが快感で、毎晩のようにスレッドで解析ツールのログを突き合せていた。でも、勝ったと思った瞬間から、残ったのは他人の不幸を喜ぶだけの陰鬱な空気だった。仲間だと思っていた連中が毎日特定の政治家や芸能人の悪口を叫び続けるだけの空間になり、ある日突然『自分は何をやっているんだろう』と目が覚めてブラウザを閉じた」

一方、かつて月間3,000万PVを誇った大手まとめサイトの元管理人は、取材に対してこう吐露しました。
「嫌儲からの広告通報は確かに大打撃でした。主要な広告配信ネットワークを剥がされ、月の収益が数百万円から数万円に落ちた時期もあります。しかし結局のところ、ユーザーが求めていたのは『手っ取り早く読める結論』だった。私たちは掲示板の転載を諦め、SNSの投稿を埋め込むスタイルに変えただけで、アクセスは戻ってきた。嫌儲がどれだけ正義を叫んでも、大衆の受動的な情報消費欲求には勝てなかったということです」

【プロの結論】デジタル空間の共有地崩壊から見出すべき教訓

嫌儲の栄枯盛衰は、社会学における「コモンズの悲劇(共有地の悲劇)」の典型例と言えます。誰もが自由にアクセスし、価値ある情報やユーモアを生み出していたネット掲示板という「共有地」は、アフィリエイト業者というフリーライダーによって過剰搾取されました。そして、それに抵抗しようとした嫌儲民もまた、共有地を極端な排他性と憎悪で埋め尽くし、最終的に草一本生えない不毛の荒野へと変貌させてしまったのです。

【関わるべき人と距離を置くべき人の判断基準】

  • 即座に距離を置くべき人:他人の収益化や成功に対して激しい妬み(ルサンチマン)を抱きやすい人。ネットの言論闘争に「正義の鉄槌」を求めて時間を浪費してしまう人は、自己の精神衛生を守るために過去の掲示板文化から完全に離れるべきです。
  • 教訓として知っておくべき人:現代のウェブマーケティング、著作権管理、オウンドメディア運営に関わる実務家。嫌儲が残した「透明性の欠如に対するユーザーの反発」というリスクファクターは、現代のインフルエンサーマーケティングやAI生成コンテンツの運用においても最も重要な反面教師となります。
中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。