アパレルメーカー 年収 低い 理由としてよく挙げられるのが「粗利率が低いから」という説明だ。しかし、これは半分正解で半分間違いである。確かに、量販向けのアパレルは粗利率が30〜40%程度と、化粧品や医薬品に比べて低い。しかし、高級ブランドやSPA大手は粗利率60%以上を確保しているケースも珍しくない。つまり、粗利率だけが年収の低さの原因ではない。
より本質的な原因は、「人件費を売上高に連動させる旧来型の給与体系」にある。アパレル業界は長らく「売上高経常利益率」が低く、人件費率を一定に保つ傾向が強い。売上が伸びなければ、人件費も増えない。加えて、「企画・生産・販売」の分業構造が、社員一人あたりの付加価値を高めにくくしている。例えば、デザイナーが描いた絵を、生産管理が工場に発注し、販売員が店頭に並べる。この分業体制では、各工程の専門性は高まるが、全体最適の視点で「利益を生み出す」人材が育ちにくい。
さらに、アパレル業界は「若手の離職率が高い」ことでも知られる。厚生労働省のデータによれば、アパレル・繊維業界の3年以内離職率は約40%に達する。これは、新人教育にコストをかけても、その投資を回収する前に辞めてしまうという悪循環を生む。結果として、給与を上げる余裕が生まれにくいのだ。