単に滝が流れているだけでなく、ネット上で目にするような「息をのむコバルトブルーの滝壺と白い滝条の共演」を目撃するには、天候・水量・光の入射角という3つの変数が完全に一致する必要があります。
第一に水量条件です。前日または前々日に矢板市高原山周辺で総雨量50mm〜100mm程度のまとまった降雨があった場合、地下浸透しきれなかった雨水が沢を満たし、白糸のような美しい滝となって流れ落ちます。ただし、200mmを超えるような猛烈な豪雨や台風直後は、上流の土砂が巻き上げられて滝壺が茶褐色に濁るため逆効果です。「適度な大雨の翌日」こそが理想的な水量を生み出します。
第二に太陽光の角度です。おしらじの滝は鬱蒼とした広葉樹林に囲まれた深いすり鉢状の谷底に位置しています。そのため、早朝や夕方は周囲の山や木々の影に入り、水面は暗い藍色やくすんだ緑色に沈んでしまいます。水中の微粒子による光の散乱(レイリー散乱・ミー散乱)を引き起こし、鮮烈な青を発色させるには、太陽高度が最も高くなる11時00分〜13時30分の直射日光が不可欠です。