皇室献上品の世界は、食品や工芸品だけに留まりません。近年、贈答市場で爆発的な注目を集めているのが、生活に密着した高級日用品と、日本の農業技術の粋を集めたフルーツです。
その象徴と言えるのが、高知県の望月製紙が手掛ける高級トイレットペーパー「羽美翔(はねびしょう)」です。皇室への献上実績を持つこの製品は、1ロールあたり千円以上という異例の価格設定で話題を呼びました。清流・仁淀川の伏流水を用い、熟練の職人が日々の気温や湿度に合わせて抄紙機の速度をミリ単位で微調整しています。「まるでシルクを纏うかのよう」と評される手触りは、日常の消耗品を究極の嗜好品へと昇華させました。病気見舞いの快気祝いや、すでに多くの物を持つ富裕層へのサプライズギフトとして選ばれています。
また、繊維製品の代表格である今治産の高級タオルも、皇室への献上品や宮家愛用品として名高いカテゴリーです。厳選された超長綿を用い、蛍光染料を極力排除して織り上げられたタオルは、吸水性と耐久性が極めて高く、洗うたびに肌に吸い付くような風合いを維持します。
一方、日本の農芸技術が世界に誇るのが「皇室献上フルーツ」です。福島県桑折町などで栽培される「献上桃」や、静岡県温室農業協同組合が管理する「クラウンメロン」は、極めて厳格な出荷基準が設けられています。 クラウンメロンを例にとると、通常は1本の木に複数の果実を実らせるところを、わずか1玉のみに養分を集中させる「一木一果(いちぼくいっか)」の栽培法を徹底。熟練の検査員が外観の網目の細かさ、形状、糖度(14度以上)を1玉ずつ厳密に判定し、「富士・山・白・雪」の等級に仕分けられます。献上品レベルの品質は、まさに日本の職人農業が生み出した食べる芸術品と言えます。