ほうれん草の下茹でを省くと危険?シュウ酸を抜き栄養を残す新常識

ほうれん草の下茹でを省くと危険?シュウ酸を抜き栄養を残す新常識

ほうれん草の下茹でを省くと危険?シュウ酸を抜き栄養を残す新常識について見逃せない 理由を分かりやすい構成で解説いたします。

ほうれん草のポテンシャルを最大限に引き出すためには、鍋に火をかける前の下準備から勝負が始まっています。日本料理の板前や料理研究家が実践する、一分の隙もない基本ステップを順を追って確認していきましょう。

ステップ1:根元の土落としと切り込み

ほうれん草の根元の赤紫色の部分には、骨の形成を促すマンガンなどのミネラルや特有の甘みが凝縮されています。切り落として捨ててしまうのは非常にもったいない部分です。まずは流水を当てながら指先で根元の隙間に溜まった泥を丁寧に洗い流します。続いて、ほうれん草下茹で根元切り込みとして、根の先端に深さ1〜2cmほどの十字または十文字の切れ目を包丁で入れます。このひと手間で太い茎の内部まで均一に熱が通り、火加減のムラを防ぐことができます。

ステップ2:湯沸かしと塩の投入

大きな鍋にたっぷりの湯を沸かします。ここで投入するほうれん草下茹で塩の量の目安は、湯1リットルに対して小さじ1杯(約5g・濃度0.5%)です。塩を加えることで沸点をわずかに上げるだけでなく、緑色色素であるクロロフィルと結合しているマグネシウムの脱落を防ぎ、仕上がりの色合いを鮮やかに固定する化学的効果が得られます。

ステップ3:時間差投入による加熱

重要なのは葉と茎の肉厚の違いを考慮した時間差の加熱です。理想的なほうれん草下茹で時間の配分は以下の通りです。

  • 根元・茎部分:束の根元を揃えて持ち、沸騰した湯の中に茎だけを沈めて30秒カウントする。
  • 葉部分:手を離して葉全体を湯の中に沈め、菜箸で素早く上下を返しながら15秒〜20秒。
  • 合計時間:湯に入れてから引き上げるまで最長でも1分以内を厳守する。

ステップ4:氷水での色止めと流水さらし

時間になったら即座にザルへ引き上げ、用意しておいた冷水(できれば氷水)に放ちます。このほうれん草下茹で冷水色止めを行わないと、余熱によって組織が軟化し続け、クロロフィルがフェオフィチンという黄褐色物質に変色してしまいます。

ただし、ここで注意すべき落とし穴があります。ほうれん草アク抜き流水時間は、1分〜長くとも2分程度に留めてください。「アクをしっかり抜きたいから」と10分以上も水に晒し続けると、今度はせっかく残したビタミンCやカリウムなどの水溶性ビタミンが浸透圧によって水中に流出してしまうためです。

加藤 愛美
著者

加藤 愛美

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。